キタサンブラック引退!「北島三郎」が語る引き際の美学
チャンスはそんなにない
――「ギター仁義」の歌詞の中には「おひけえなすって」と仁義を切る箇所がある。コンプライアンスが厳しくなった現在のNHKならきわどい表現と受け止められるだろう。当時ですら「おひけえなすって」の際にはポーズは控えてくれ、と演出側から指示があったという。
「だけど本番になったら、忘れてついやっちゃったんです。もう最高の気分で歌いましたからね。緊張している暇はなかったです。
人間誰でも、生きていれば、何かの出会い、きっかけがあるんだと思います。そのチャンス、運を絶対に逃しちゃいけない。“運がいいな”と思ったときには進め、と僕は決めているんです。麻雀やっていてある程度勝つと、負けたくないからやめちゃうなんてことがありますよね。でも、それは運を止めちゃっていると思います。チャンスはそんなにない。そして、運と不運は裏表であって、もしも今が辛いのならば耐えろ。その先にはよい運が待っている。何もしなければ、何も返ってくるものはないぞ。そう考えています」
(下)へつづく
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