セクハラからバレた「ノーベル文学賞」受賞者漏洩

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 今年のノーベル文学賞は日系英国人カズオ・イシグロ氏が受賞。12月10日にはストックホルムで授賞式が華やかに行われた――。

 が、その陰で同賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーが揺れている。きっかけは、当地の有力紙「ダーゲンス・ニュヘテル」(DN)が11月下旬から報じているセクハラ事件だ。

「アカデミーが支援している文化団体の芸術監督が、団体の職員などにレイプやセクハラを行い、18名もの女性が被害を訴え出たというのです。ただ、スウェーデンは匿名報道が原則。加害者の名前は出ていません」(外信部記者)

 だが、英仏などの各紙は、仏育ちで写真家でもあるジャン・クロード・アルノー氏(71)がそのセクハラ野郎だと特定。アカデミーも「その人物」との絶縁を発表。典型的なMeToo現象の成果だった。

「ところが、さらにDN紙が、被害女性たちに発表前のノーベル文学賞受賞者の名をアルノーが自慢げに披露していたと、12月4日にスクープ。もうひと騒ぎです」(同)

 もっとも、アカデミーの元常任理事は「私は驚いていない」「情報は妻から得ていたと思う」とコメント。疑惑は以前からあったのだ。

 じつは、アルノー氏の妻、フロステンソンさん(64)は、文学賞の選考も行うわずか18名に制限されたアカデミーメンバーの1人。彼の国を代表する詩人でもある。

「DN紙によれば、2004年、05年、14年の受賞者の名を被害者たちは聞いている。04年に、受賞者はエルフリーデ・イェリネクだと示唆された女性は、与太話だと思ったら本当にイェリネク氏が受賞して、『最悪。彼は本当に知っていた』と驚愕したそうです」(同)

 さらには金銭的な疑惑も。

「英ブックメーカーでは、ノーベル文学賞の発表直前に賭け金が受賞者に不自然に集中し、賭け率(オッズ)が急落することがたびたび。漏洩が確実視されていました」(在英ジャーナリスト)

 疑惑の点と点が、見事につながりそうなのだ。

週刊新潮 2017年12月21日号掲載

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