日本語として自然ではなかった「象徴」という言葉──日本人と象徴天皇(1)
まもなく、平成の世が終わる。天皇陛下の「生前退位」の意向が最初に明らかになったのは、2016年7月13日のNHKのスクープだった。政府は当初、その報道を否定したが、翌8月には天皇ご自身によるビデオメッセージが発せられた。
「即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました」
「既に80を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」
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