“助成金が出たことがおかしい” 逮捕「スパコン社長」の本当の評価は…
「稼働率が悪いんです」
時代を変える寵児は鼻白むような態度を取ったり、荒唐無稽な物言いをしたりするものだけど、彼の実力はどう評価されてきたのか。
スパコン事情に明るい技術者はこう手厳しい。
「昔、レシプロ・エンジンというものがありました。飛行機ではこれが主流でしたが、今はジェット・エンジンですね。その転換は産業革命と言っていいほどの違いがあります。齊藤はそれがスパコンでできると思っているのですが、最先端は量子コンピューターです。これはまさしくジェット。レシプロを搭載したゼロ戦は遅いからエンジンを4個つけよう……。彼はそういうことを言っているわけですが、量子コンピューターはジェットですから高度もスピードも全然違う。レシプロをいくらつけようが、ジェットには到達しない。にもかかわらず、経産省がスパコンにお金をつけているとすれば、これはよほどのバカか利権がらみなんです」
最大の問題点として、
「実用化できないものを作って世界一と言ってるところ。それって意味あるのでしょうか。ミサイルの弾道を計算するとか言ったって、実際には防衛省はそんなもの使っていない。既にあるもので十分だから。更に稼働率が悪いんです、齊藤のスパコンは。しょっちゅうシステムエラーを起こす。スパコンが熱くなりすぎて暴走する。省エネ世界一である前に稼働率50%も夢のまた夢だと思います」
矛先は資金の出し手にも向かって、
「明らかにおかしいのはNEDOが金を出したこと。それくらいあそこは審査が厳しい。この程度で通ったというのは、不思議でしょうがないね」
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