詐欺容疑で逮捕のスパコン社長 人脈に浮かぶ「山口敬之」と「謎の風水師」

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申告漏れか所得隠しか

 風水師は齊藤氏とセミナーを開催してきた事実がある。財団への出資を募ったことがあるか質すと、風水師の秘書はこう回答した。

「絶対に違います。山口氏らが財団を作ろうとしていたところまでは聞いていましたが、それができたのかどうかまでは知らされていなかったからです」

 齊藤社長が助成金詐取に手を染めたのは自転車操業の中で肝心の自転車が止まりそうになったから。山口氏をペジーの顧問にし、財団をメインにカネ集めをしていく……その目論みは奏功しなかった。ならば、その人脈を頼みとしていた山口氏へのギャラは、キャピトルの家賃を含め、かなりの負担だったのではあるまいか。

 先に触れたように当局は脱税にも踏み込んでいくから、家賃問題にも当然メスが入るということになる。

 税理士の浦野広明氏によると、

「業務上必要だから経費なんだとペジーも山口氏も主張するでしょう。しかし、山口氏がその物件に住む必要性が業務上認められるとは考えにくい。例えば、緊急時に医師が駆けつけなければいけないから、病院側が近くに社宅のようなものを確保し、医師に居住してもらうとか、そういう時には非課税になりますが……。『レジデンス』を名乗り、プライベートな寝室がある以上、全額が経費認定されることは困難。山口氏側も雑所得に相当すると見做され、それを申告していないならば申告漏れを指摘される。ゴマ化した形跡があれば所得隠しとなり重加算税が課されます」

 先の記者はこう付け足す。

「山口さんも特捜部に事情を聞かれるわけで、そうすると、安倍・菅(官房長官)の官邸ラインは山口さんを見限った感がありますね」

 最後に、山口氏にレイプされたと記者会見し、損害賠償を求めて係争中の伊藤詩織さんに聞くと、

「12月5日の第1回口頭弁論の日に山口さん自身が出廷しませんでした。それはともかく、山口さんの担当弁護士の方も山口さんと連絡がつかないと話していたことを朝日新聞の報道で知り、不思議な思いをしていたのです。すると同じ日に、山口さんとの関係が取り沙汰されている方を(特捜部が)逮捕したと聞き、何かその件と(連絡がつかなかったことに)関係があったのかとも思いました。実際には何があったのか。この件についても、真相が解明されることを願っています」

週刊新潮 2017年12月21日号掲載

特集「特捜部は政権中枢に斬り込むのか 『スパコン社長』『安倍総理』ベッタリ記者の人脈に浮かんだ『謎の風水師』」より

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