年間収入数十億円の「富岡八幡宮」ファミリー 殺人に発展した姉弟の確執
犯行動機は…
茂永と長子さんを知る氏子が言う。
「茂永君は富岡八幡宮の宮司だった16年前、女癖の悪さと、金銭トラブルで父親から宮司を解任されているのです。しかし、茂永君は自分を陥れたのは姉の長子さんだと思い込んでいた。06年には、長子さんに脅迫状を送りつけて逮捕されています。その後、長子さんが“宮司代務者”として神社のトップに就くと嫌がらせはエスカレートするのです」
妻・真里子の名前で彼女を誹謗中傷する文書が神社本庁に送りつけられたこともある。
「そんなバカなことをしてでも、茂永君はいずれ神社に復帰したいと考えていたようです。しかし、6年前、逆に長子さんは富岡八幡宮の神職を務めていた茂永君の息子も辞めさせてしまう。これには相当なショックを受けていました」(同)
この間、長子さんは神社本庁に対して4回、自分を正式な宮司にするよう具申したが認められていない。理由は明らかにされていないが、姉弟の内紛を嫌ってのことだと見られている。そこで、今年の6月、富岡八幡宮は神社本庁からの離脱を宣言。長子さんは9月に正式な宮司になる。
別の氏子によると、
「6月ごろ茂永さんから電話があって、“神社本庁からの離脱を止めさせて欲しい”と言って来た。彼は長子さんが正式に宮司になれば自分の宮司の目が無くなってしまうから焦っていたのでしょう。犯行にいたった動機はこれだと思います」
事件直前、茂永は関係者に送りつけた“遺書”で長子さんの追放と、息子の宮司就任を要求し、こう書いている。
〈もし、私の要求が実行されなかった時は、私は死後に於いてもこの世(富岡八幡宮)に残り、怨霊となり、私の要求に異議を唱えた責任役員とその子孫を永遠に祟り続けます〉
まるで、この台詞を体現してみせるかのような犯行だったのである。
[2/4ページ]