「世田谷一家殺害事件」検索ワードの“ラグラン”“マルフル”って何?

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数多くの遺留品

 異様なのは、犯行後の犯人が、この家で寛いでいたらしいことだった。パソコンを触り、アイスクリームを食べるなどしていたことも判明する。

 だが犯人は、犯行時に右手を負傷しており、A型の血痕や指紋が遺っていた。さらに数多くの遺留品もあった。帽子、ジャンパー、トレーナー、マフラー、ヒップバッグ、手袋、スニーカー、ハンカチが遺され、身につけていた香水まで判明する。それだけに、犯人の特定は時間の問題と思われていた。

 以来17年。警視庁の懸賞金(捜査特別報奨金)300万円は、今年で10回目の延長となり、地元の民間団体は上限1700万円の懸賞金が設けられている。成城署には今も特別捜査本部が置かれており、日頃の捜査はもちろん、12月には捜査員らが現場近くの駅などで情報提供を求めるチラシを配るなどの活動を続けている。

 今年、荻窪(杉並区)周辺に配布されたチラシ(写真)には、「『荻窪』で販売されていた!!」と大書されたものだった。住民は言う。

「新聞広告に混じって入っていました。最初は、世田谷事件の犯人の服の販売店が特定されたのかと思いました。でもよくよく見ると、“トレーナーは全国で130着販売されて、そのうち荻窪タウンセブンでは3着販売”とか、たしか以前から発表されていた内容だったよなあ、と。まあ、新しい情報がないから、情報提供を呼びかけているんでしょうけど。それにしても、“詳細は『ラグラン マルフル』クリック!”って――。他に思いつかなかったんでしょうか」

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