警察庁幹部がパチンコ業者から付け届け!?“告発”の裏で繰り広げられる人事の暗闘

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政権中枢が“介入”する可能性

 念のため3人の略歴を紹介する。

▽坂口長官:80年東大法卒。大阪府警本部長、警察庁官房長、15年1月次長。
▽栗生次長:81年東大法卒。刑事局長、15年1月官房長。
▽三浦官房長:82年東大法卒。大阪府警本部長、15年1月警察庁刑事局長。

 文字通りのエリートばかりだが、それでは「サンデー毎日」の記事に移ろう。文中では坂口長官と、栗生次長の“実力”を不安視する記述があるのだ。

《警察庁次長に就任した栗生俊一氏は(略)福田康夫首相の秘書官を務めるなど政界に人脈を持ち、次長就任には政府関係者の後押しがあったとされる。そればかりか(略)(編集部註:栗生次長に)警察庁長官の目がでてきたという。
「坂口正芳長官も栗生氏も刑事畑出身。東京五輪までの4年間、テロ対策はこの体制で大丈夫か。今回の人事には不安が残る」(略)との指摘もある》

「長官も次長もトップの器ではない」と指摘しているわけだ。警察庁内部から、このような声が漏れているのだから、内部は相当に揺れていると考えるのが自然だ。

 そして重要な登場人物が、あと1人存在する。封書が指摘する「パチンコの射幸性抑制の施策」を事務方として取り仕切っているのは、警察庁OBの杉田和博・内閣官房副長官なのだ。

杉田副長官の名前は、前川喜平・前文部科学事務次官が出会い系バーの常連だったことを「こういうところに出入りしているそうじゃないか」と厳重注意したということで一躍有名になった。

 そして今年8月、杉田副長官は、府省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長にも兼務で就任した。府省庁の事務次官や局長ら約600人の人事を政治主導で進めるという要職中の要職だ。

 なれば当然、自身の古巣である警察庁の人事を巡るゴタゴタも、とっくの昔に杉田副長官の耳に入っているだろう。この封書に目を通していても全くおかしくない。警察庁内部の暗闘に、政権中枢が介入する可能性も充分に考えられる。今後の展開によっては、少なからぬメディアが注目することになるはずだ。

 最後に、警察庁に対し、封書の存在などについて取材を依頼したことにも触れておこう。文書で「個別の事柄についてはお答えしておりません」との回答だった。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月19日掲載

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