警察庁幹部がパチンコ業者から付け届け!?“告発”の裏で繰り広げられる人事の暗闘
人事に不満?
こうして封書は警察庁幹部とパチンコ業界人が癒着していると訴えているのだ。「証拠」として宅配便の送り状、そのコピーが同封されている。「ご依頼主」の欄にパチンコ業界人の名前と住所が、「お届け先」の欄に警察庁幹部の名前と自宅住所が書かれている。「梅」や「牛乳・乳製品」の文字も読める。以下、告発内容を、まとめてみよう。
【1】警察庁幹部がパチンコ業界人と付き合うようになったのは、政府の中枢幹部の紹介
【2】築地の最高級ステーキ店や赤坂の高級中華での飲食接待、接待麻雀、渡航費・滞在費の援助を受けたシンガポールのIR(統合型リゾート)視察も行われている
【3】業界人が警察庁幹部に厚遇するのは、パチンコの射幸性抑制の施策と関係がある
この封書の書き手には、パチンコ業者と警察庁幹部の癒着を糺(ただ)すという“錦の御旗”がある。だから警察庁の監察官に封書を郵送したわけだが、やはり背後には人事を巡っての暗躍が存在する可能性も否定できない。
なぜなら、人事の騒動に関して、既に一部メディアも報じているからだ。例えば「サンデー毎日」(毎日新聞出版)は「警察トップ『玉突き人事』の波紋 『東京五輪は大丈夫か』不安説も」(2016年10月16日号)との記事を掲載した。
だが、その内容を紹介する前に、今の警察庁トップ、ベスト3の顔ぶれを確認しておこう。
16年8月に金高雅仁長官が勇退。後任を坂口正芳長官とする人事が閣議で承認された。
そしてナンバー2の栗生俊一次長、ナンバー3には三浦正充官房長という顔ぶれになった。彼らが警察庁の栄えあるベスト3というわけだ。
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