Jリーグ初制覇「川崎」の知られざる掟 “憲剛以上の年俸はNG”
その瞬間、MF中村憲剛(37)は地面に突っ伏し号泣した――最終節で鹿島を逆転し、Jリーグ初制覇を果たした川崎フロンターレ。かのチームには知られざる“ルール”がある。
「それは“どんなに活躍しても、年俸は憲剛を超えない”というものです」
とサッカー誌記者が囁く。
憲剛は加入15年目の生え抜きで、海外からの好オファーを袖にして、“生涯川崎”を貫く。昨季はJリーグの最優秀選手に選出。名実ともにチームの顔だ。
年俸は推定1億円。外国人選手は“ルール”の適用外だというが、
「Vの原動力になった主将で今季得点王のFW小林悠(30)だって、川崎にいる限り憲剛を超えることは絶対にありません。2013年から史上初の3年連続得点王に輝いた大久保嘉人(35)ですら、憲剛を超えることは許されなかったのですから」
大久保は、セレッソ大阪に始まり、ヴィッセル神戸や海外などチームを転々としているクチ。今年からFC東京に移籍し、ようやく憲剛の年俸を上回ることができたのだとか。
「契約の際、チームは“憲剛がこの額だから……”と彼をダシに使うこともあるようです。なので、他チームと比べて日本人選手の年俸は低い傾向にあります」
憲剛は面倒見が良く、人望もある。“憲剛さんがその額なら仕方ない”と諦めるチームメイトが少なくないという。が、中には“もっと憲剛さんが頑張ってくれれば……”なんてボヤく選手もいるのだとか。
だが、
「他ならぬ憲剛こそ、鹿島や浦和なら1億5000万円くらい貰っていてもおかしくない存在。金についてとやかく言わない男なんです」
もっとも、今季から優勝チームに約20億円が与えられることになった。少しは選手たちに還元されるといいのだけれど……。