勝率60%のはずが100%に… 「白鵬」対「日馬富士」取組を数字と動画で検証
暴行事件の渦中の存在として注目を浴びている、日馬富士と白鵬。しばしば“ライバル”と形容された2人のこれまでの取組を検証してみると、そこから見えてくるのは――。
***
貴ノ岩にケガをさせたことで「横綱としての責任を感じた」と日馬富士が引退を表明したのは、11月29日のことである。これにより、2001年1月場所で初土俵に立った、日馬富士17年間の力士人生は幕を閉じた。
またこの問題では、暴行のあった夜に同席していたことで、白鵬の名もしばしば取り沙汰されている。同じモンゴル力士で、年齢も日馬富士が33歳、白鵬が32歳と同世代の2人は、相撲ファンからライバルとして注目されてきた。実際の2人の対戦成績はどのようなものだったのだろうか。
「安馬」から改名し、日馬富士が大関として初めて土俵に立ったのは2009年1月場所。この時すでに横綱だった白鵬との対戦では、寄り切りで日馬富士が白星となっている。
以降、直近2017年7月場所までの間に、優勝決定戦を除く2人の本割での対戦は全43回あり、うち白鵬が勝利したのは27回。つまり白鵬の「対日馬富士」の通常勝率は62・79%ということになる。だが、ある条件下では、白鵬の勝率は100%に跳ね上がる。それは、“日馬富士に敗れれば稀勢の里との優勝決定戦が控えている”というシチュエーションだ。
[1/3ページ]