詐欺で逮捕「スパコン長者」の危険な人脈 山口敬之のスポンサー、麻生副総理ともお友達

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六本木のバーでの夜

 もちろん助成金の原資は税金。重大事には間違いないが、これだけなら、一企業家のスキャンダルで幕を閉じそうである。

 ところが、だ。

「この件、各社はかなり注目して大々的に取材に動いていますよ」

 と言うのは、さる全国紙の社会部デスク。

「なにしろ、齊藤社長を取り巻く人脈が多種多様。その中には、かなりの“有名人”が見え隠れする。ガサ入れの成果次第なのでしょうが、特捜部はそちらへの意気込み、色気を見せている節もあるのです」

 その一人が、山口敬之氏。言うまでもなく、元TBSのワシントン支局長にして、安倍首相ヨイショ本の著者として名高い。何より、本誌(「週刊新潮」)が繰り返し報じてきた、伊藤詩織さんに対する準強姦疑惑で、一時は逮捕状まで出されるほど追い込まれた“渦中の人物”である。

 永田町関係者によれば、

「山口さんは齊藤社長と、TBS時代から極めて昵懇。昨年TBSを辞めた後には、ペジコンの顧問にしてもらい、多額の顧問料を受け取っています。今年の4月、齊藤社長が企業セミナーの講師として招かれ、『経営環境の激変』について講演をした際のこと。そこに“知人”として参加したのが山口さん。彼はここで、“齊藤さんの技術は日本と世界を根本的に変えてしまう。彼が提唱するヴィジョンを皆が理解しなければならない。その発信などを手伝っています”等々、べた褒めしていました」

 というから、その蜜月が窺われるのだ。

「2人のズブズブぶりを象徴する事例が、山口さんの“自宅”の件ですよ」

 とは、別の永田町関係者。

「山口さんはTBSを退社後、都心の超高級ホテルの一室に自宅兼事務所を構えましたが、この部屋のもともとの借主が齊藤社長と言われています。要は、齊藤社長がホテルから部屋を借り、山口さんに使わせてあげたと見られているのです」

 そのホテルとは、東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」。国会や首相官邸からは至近の距離にあり、大物政治家がさまざまな“密談”を行う場としても知られている。

 このホテル、地下2階から地上4階がレストランなどの施設、6〜13階がオフィス、18〜29階が客室で、その間の15〜17階が賃貸フロアとなっている。これらの部屋の広さは、82〜294平方メートル。賃料は月68万円から240万円となる。

「どの部屋でも、フリー記者が簡単に支払える額ではないですし、そもそも戸数が全部で14しかなく、審査が非常に厳しい。会社を辞めたばかりの山口さんがこれだけのところに入るのは無理ですから……」(同)

 齊藤社長の“力添え”あってこそのことではないか、と言うのである。

 そして、この2人の先には、更なる「大物」が連なっている。

「麻生副総理兼財務大臣です」(同)

 そして、

「山口さんが、この齊藤社長を麻生大臣に繋いだのです。そもそも、山口さんは安倍総理以上に麻生さんとの関係が有名。山口さん自身、著書の中で“(第1次政権時の)『安倍辞任』を麻生が電話で知らせてきた”と自慢げに書いているほど。山口さんは、麻生さんと六本木のバーで呑んでは、齊藤社長の著書を持って、スパコンの重要性を熱く訴えていました。麻生さんも十分に関心を持っていましたね。昨年7月、麻生さんは、理化学研究所を訪れ、スパコンを視察していますが、それは理研とペジコンなどが共同開発したもの。案内役に立ったのが齊藤社長でした」

 当の山口氏、そして麻生大臣に齊藤氏との関係を尋ねてみたが、締め切りまでに回答はなかった。しかし、

「当局は山口さんのホテルの件も当然、把握しています」(前出・司法記者)

 容疑者の人脈の先に、安倍首相ベッタリ記者と、現政権のナンバー2……。

 政権中枢に衝撃が走った今回の捜査。特捜部はパンドラの箱を開けることになるのか。

週刊新潮 2017年12月14日号掲載

特集「詐欺で逮捕されたのは『伊藤詩織さん』準強姦記者のスポンサー! 『麻生副総理』もお友達だった『スパコン長者』の危険な人脈」より

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