「平成」が終わる元号の変わり目に「皇族」を騙る「不敬の詐欺師」にご注意

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「あり得ないと分かったはず」

 彼らに判決が下るのは、95年3月のこと。主犯格は執事役の渡辺好郎(当時62)は、過去にもM資金詐欺で逮捕歴もあり、懲役8年。操り人形的存在だった白仁王こと白嶌誠哉(当時68)は同6年。

「週刊新潮」(95年4月6日号)では、《菊の御紋入りの「感状」を一人一人に手渡し、「お言葉」をかける「白仁王」。実態は、熊本生れで奈良県生駒市の借家に妻と息子夫婦、孫と暮らすただのオッサンなのだが、「見ているうちに、どんどん顔が昭和天皇に似ているように見えてきて……」》と被害者の言葉を掲載している。さらに、

《「感状についている菊の御紋の花弁の数が、本物より少ないことに気づいて問い合せた被害者もいたそうですが、“私のような陰の者は、花弁の数を減らさなければいけないのだ”と説明され、納得してしまったそうです」》とも。

 判決言い渡しの際には、「冷静に考えれば、あり得ない話と分ったはず」と裁判官が被害者を諭す一幕もあったという。

 それでも騙されてしまうのが、詐欺師の巧妙さ。にもかかわらず当時の全国紙はほとんど報じなかった事件なのである。再来年の春には新元号となるわけだが、その際に蠢く詐欺師にはくれぐれもご注意を。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月11日掲載

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