急逝・野村沙知代さん、本誌に明かしていた克也氏「楽天解任劇」への怒り

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「10億円ください」

――11日の試合後には、そのファンが夜遅くまで球場に大勢残り、野村監督の続投、そして解任理由の説明を求めて球団職員に詰め寄る一幕も見られた。それらの声に対し球一団側は、“チームの若返りを図るため”と繰り返した。再び、沙知代氏の“舌鋒”が鋭さを増す。

「74歳の高齢が解任の理由だと球団側は説明しているそうですが、主人は、これが一番頭にきたようです。知識と実績を総合して考えたら、決して今の若い監督に負けませんもの。かつて、“電力王”と称された松永安左エ門という財界人が、『50~60代は洟垂れ小僧』と言っていましたが、その通り。70~80代が働き盛りなんですよ。

 だいいち、“石の上にも3年、風雪5年”と言いますけど、主人は風雪5年に至る前の4年で、チームを2位に押し上げたんですから、もう少しやりたいと思うのは当然でしょう。彼らに、“氷心(ひょうしん)”はないのか、一片の心、人情の欠片すら持ち合わせていないのでしょうか――。」

――1億5000万円とされる野村監督の高額年俸が、球団の“重荷”になっているとも報じられた。その金銭交渉に沙知代氏が乗り出してくることを、球団が嫌がっていたとも。

「年俸が高額だなんて、理由にならないでしょう。だって、解任を告げてきた11日、球団側は交渉しようという姿勢すら見せなかったんですよ。主人は、ゼニ金で野球をやっているわけではない。仮に年俸が半減したって、あなたが必要だと言われればやるんです。

 私が金銭交渉に関わっているなんてこともありません。もちろん、年俸の金額の提示などしていない。できるんだったら、『10億円ください』って言ってるわよ。だいたい、主人の試合後の“ボヤキ”はテレビで毎晩取り上げられて、こんなのは12球団で一人だけ。その効果は何百億円にも値すると言ってくださる方もいるほどなんです。それを考えれば、主人の年俸をあれこれ言うのはおかしい。」

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