大御所「伊東豊雄」設計 岐阜市の図書館に“雨漏り”の一大事

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 細江茂光岐阜市長(69)が御立腹の様子である。

「竣工して、たかだか2年の建物で、屋根を支える鋼材に、錆が発生するとは何事か!」

 と嘆き節。

 お話は、岐阜市の複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(同市司町)の屋根裏の空間に出来(しゅったい)した椿事。美しく波打つ木造の屋根を支える鋼柱が酷く錆び付いていることが判明、関係者は大慌てした。

 メディアコスモスは、鉄筋2階建て、図書館が主体の建物。あの建築界のノーベル賞“プリツカー賞”受賞者で世界的建築家の伊東豊雄さん(76)が設計を手掛け、総工費は125億円。

 施工を受け持ったゼネコン準大手「戸田建設」関係者が溜息を吐く。

「非常に微妙な問題です。屋根裏の湿気が予想外に高く、鋼材に錆が出てしまったのでしょう」

 屋根全体が美しい曲面を描くユニークな建物を造ったのが伊東さんだったから“微妙な”話とあいなった。

 市の関係者が言う。

「錆だけでなく、天井からの漏水が竣工直後から30回にも及びます。設計ミスではないと言うが、これは只事ではない。市長が不安視するのも当然です」

 11月16日には、市が設計・施工両業者に申し入れして、ようやく記者会見の運びとなった。

「記者会見で判明したのは、30回の漏水のうち、2015年4月から17年1月までに起きた24回は“結露”によるもの。今年8月以降の4回のうち、初めの2回は台風被害の雨漏り。後の2回は調査中です」(同)

 結露の原因は、断熱材などの建築資材が雨などで湿気を帯びたためと判明。善後策は既に講じられた。

「旧図書館の年間来館者数は15万人。伊東さんの新図書館には126万人。その意味では大成功」(同)

 早期の正常化を切に期待したい。

週刊新潮 2017年12月7日号掲載

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