100歳以上が日本一の島根県、「デイサービス施設」も日本最多 認知症予防に活用
要介護4から…
その吉田町にあるのが高齢者総合福祉施設「ケアポートよしだ」である。錦織美由起施設長が言う。
「1994年に設立された施設の役割は、3つあります。『サ高住』(サービス付き高齢者向け住宅)に近い居住事業と、介護事業。そして介護予防のための健康づくりです。こちらでは温泉プールを有し、また運動や栄養について私どもが出向いてレクチャーする『きらり☆エイジング75』という事業も、市から受託しています。さらに足腰が弱っていると感じる65〜84歳の方を対象とした『にこにこ運動教室』では、室内運動を指導しています」
温泉プールでトレーニングを担当する健康運動指導士の見波静氏に聞くと、
「年齢別に分かれており、85〜93歳のクラスも1つあります。プールでの運動は横歩きや、手で水を掻いて前に進むという動作。秋口までは水中で太極拳も行ないます。最も年輩の方々のクラスでは、お手洗いの関係もあるのでプールの時間は短くし、ボールやタオルを使った準備体操を多めに取り入れています」
先の錦織施設長によれば、こんな事例もあったという。
「20年ほど前、要介護4だった女性が、ジャグジーやプールに浸かって体を温めるところからスタートし、徐々に運動ができるようになり、要支援1になって施設を“卒業”していきました。現在99歳の彼女は自宅にお住まいで、どんぶりを両手で持って歩けるまでになっています」
自助努力もまた、島根県民の特徴といえるのだ。
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