北朝鮮「『火星15』発射成功」声明から読み解く「金正恩クーデター」の可能性

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現場では餓死寸前の兵士

 韓国の中央日報は16年6月30日に「北朝鮮、最高権力機関『国務委員会』新設…金正恩国務委員長を推戴」(電子版)と題した記事を掲載。金正恩が北朝鮮軍から距離を置いたことを報じている。

《金正恩の国家職責は従来の「国防委員会第1委員長」から「国務委員長」に変わった。/自由民主研究院のユ・ドンヨル院長は「国務委員会は従来の国防委員会に代わって新設された国家最高領導機関とみられる」とし「北が最高人民会議でこのような内容に憲法を改めたのは、国防委中心の従来の『先軍政治』の代わりに『先党体制』への変化を意味するものだ」と分析した》

 北朝鮮軍は日々、崩壊に近づいている。食糧も燃料もない。士気があるほうがおかしい。軍紀は崩壊し、有事にどれだけ稼働できるか疑問視されている。金正恩は軍部に見切りをつけ、核カードをちらつかせながらアメリカと直接対話する構想を描いている。

 もちろん軍が金正恩の方針を唯々諾々と受け入れるはずがない。いわばリストラを宣告されたようなものだ。特に公務員の場合、合理化には必死で抵抗する。そして軍人も、立派な公務員だ。

「ミサイル部門だけ豊富な資金を注ぎ込み、現場の兵士には『餓死してもいい』と言わんばかりの冷遇です。まともな軍人なら怒り心頭に発して当然でしょう。金正恩が核開発を声高に宣言するほど、軍の大多数には不満が溜まっていくという図式です」

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