北朝鮮「『火星15』発射成功」声明から読み解く「金正恩クーデター」の可能性

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悪化する金正恩と軍の関係

 共同通信は「我々が目標とした~ICBM」の部分を「目標としてきたミサイル開発の完結段階に到達した」と翻訳している。いずれにしても、非常に遠まわしな表現だという印象が強い。

 次は声明に書かれている金正恩の発言だ。

《金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が発射に立ち会い「核武力完成の歴史的大業、ロケット強国の偉業が実現された」と宣言したという》(読売)

《金正恩朝鮮労働党委員長は「ついに国家核戦力完成の歴史的大業、ミサイル強国の偉業が実現した」と宣言した》(共同)

 こちらは「完結段階に到達した」などと、まだるっこしい表現は使っていない。ストレートに「実現した」と誇っている。

 確かに矛盾だ。ここから何を読み解くことができるのか。先のウォッチャー氏が解説する。

「謎を解く鍵は、そもそもなぜ、ここまで金正恩がミサイル・核開発に血道をあげているかということです。振り返れば金正恩の父である金正日は90年代後半に『先軍政治』に言及、『(朝鮮)労働党より朝鮮人民軍が優位だ』とし、北朝鮮の公式イデオロギーとなりました。ところが金正恩は、核のボタンを手中におさめることをテコに『先党後軍』を実現しようと画策しており、軍と金正恩の対立が激化しそうなのです」

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