“陛下をトランプさんに会わせても…” 安倍官邸がフタしたい「美智子皇后」の乱

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“朝日の報道と逆に”

 ピコ太郎やドリフト不倫ドライバーこと佐藤琢磨を招いた夕食会が開かれるなど、突っ込みどころは少なくなかったものの、トランプがツイッターで物議を醸すことはなかった。皇居で行なわれた両陛下とトランプ・メラニアの会談も何事もなく終わっている。にもかかわらず、なぜここへきて美智子さまのご憂慮が拡散されることになったのか。

 それは、朝日新聞が10月20日付朝刊で報じた内容と無縁ではないという。

〈天皇陛下退位 19年3月末 即位・新元号 4月1日 政府最終調整〉

 という見出しの記事を指すのだが、

「この報道の後、安倍さんは“朝日の言っている内容とは逆にしたい”と漏らしていました。朝日嫌いの安倍さんらしい、と言ってしまえばそれまでですが……。安倍さんはこれまで “18年の年末に平成が終わって、19年元日から新元号としたい”という考えを持っていました。『朝日の逆』というのはそういうことになります」(さる官邸関係者)

 もっとも、かねてよりこの「安倍首相案」に難色を示して来たのが、他ならぬ宮内庁である。宮内庁担当記者によると、

「大晦日には『大祓(おおはらえ)の儀式』が行なわれますし、元日は天皇陛下は朝の4時前から起床される。加えて、1月7日に開催予定の『昭和天皇三十年式年祭』をご自身で執り行ないたいという陛下のご意向があるなど、行事が立てこみ、ご多忙極まるので『元日新元号案』に宮内庁は強く反発しています」

 結果、12月1日に開催される皇室会議では、先の朝日報道の日程案と、19年4月末に退位・5月1日に新元号の2つの案が提示される予定である。安倍首相は後者を推す意向を示している。

 官邸と宮内庁の対立の経緯を説明するのは、前出の宮内庁関係者だ。

「陛下ご自身、『皇室の安定的な存続』や『象徴天皇のあり方』に頭を悩まされてきました。そこから、女性宮家創設や生前退位について前向きに検討するよう、折に触れて官邸へ“ボール”を投げて来られたのですが、安倍政権はそれを喫緊の課題と受け止めることはなかった」

 他方、美智子皇后はとにかく天皇陛下の体調を案じておられ、

「改元に先んじて、『なるべく早い時期の退位』を望んでいらっしゃったと聞いています。いずれにせよ、“朝日の報道と逆にしたい”という安倍さんのオフレコ発言は朝日新聞をやり玉に挙げているわけですが、やはり陛下のお考えとは違うもの。その点から見て、安倍さんの言葉を聞きつけた宮内庁が刺激され、焦った可能性はありますね。その結果、トランプについてネガティブな思いを持っているという美智子さまのご発言が表に漏れ、蒸し返されてきたということではないでしょうか。トランプと良好な関係を構築してきた安倍さんにとっては衝撃的な内容であり、芳しい話ではありませんから」(同)

 官邸と宮内庁。犬猿の仲が生んだ「蒸し返し話」ということになる。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

特集「『陛下をトランプさんに会わせても……』 『安倍官邸』がフタしたい『美智子皇后の乱』」より

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