“ババア”という罵りの意図は? 騙し合うことと信じ合うことは表裏一体『監獄のお姫さま』第7話

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 あるイケメン社長へのリベンジを企むワケアリの女たちを描く「監獄のお姫さま」。物語は女たちが大企業の社長である板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐、監禁した2017年のクリスマス・イヴと、彼女たちが出会った女子刑務所内での回想シーンを行き来して進む。

 脚本は宮藤官九郎。手を組んで板橋に復讐する元女囚たちを演じるのは小泉今日子、菅野美穂、坂井真紀、森下愛子、そして夏帆。元看守役には満島ひかりという、豪華な美女たちが勢揃いだ。物語も中盤に差し掛かり、キャラクターたちの過去も徐々に明かされ、一気に面白みが増している。

 板橋社長の秘書として呼び戻された若井ふたば(満島ひかり)は、刑事と板橋晴海(乙葉)に何か知っているのではないか? と問いつめられる。ふたばは犯人グループにバキバキにやられた骨折(のフリ?)の三角巾の下からひそかに、元女囚メンバーたちへのLINEグループに「助けてヤバい問いつめられてる」と送る。ふたばは、江戸川しのぶ(夏帆)の刑務所での存在感を誇張して語り、カヨ(小泉今日子)たち女囚メンバーが所内でいかにワルいグループであったかと大嘘をぶっこくことで、自分はいわば潜入スパイとして板橋の秘書になった、と華麗にごまかした。

 そこにカヨたちグループから一本の電話が入ったのをふたばは自ら取り「盛りの付いたメスババアが善意とか言ってんじゃねえよ、もういっぺんブタ箱から出直すか?!」とまで言ってみせる。

 電話を切って「ひどい……」と肩を落とすカヨ。ふたばの状況はともかく「メスババア」という言葉がずっしり来たようであった。先週の第6話でもカヨはふたばに「先生、ババアは無しです……」と異議を申し立てている。

次ページ:本作における「“ババア・ブス”問題」

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