「貴乃花」が勇み足!? 暴行に「2通の診断書」の暗闘
言わずもがな、加害者は日馬富士(33)であり、被害者は貴ノ岩(27)である。だが、「2通の診断書」と、貴乃花親方(45)の「分からない」発言が事態を複雑にしている。その結果、逆に貴乃花親方の「責任問題」が浮上する事態に発展しているのである。
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〈右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い〉
今回の騒動が衝撃的だった要因は、暴行自体はもちろん、その怪我の重さだ。
筑波大学の松丸祐司教授(脳神経外科)が、
「相当強い力が加わらないと、右中頭蓋底にヒビは入らない。そう簡単に起きる怪我ではありません」
こう解説すれば、脳神経外科医の眞田祥一・眞田クリニック院長も、
「髄液漏が続いた場合、感染症の髄膜炎を起こす恐れもあり、重大な事態です」
と、説明する。しかし、これは貴ノ岩が退院した11月9日付の診断書に書かれた症状で、暴行3日後の先月29日に、貴乃花親方が鳥取県警に被害届とともに提出した診断書では、
「骨折などはなく、軽傷の内容だった」(相撲記者)
当初、軽傷だったものが一転、重傷に。ここに何らかの「作為」を感じるムキもいて、先の眞田氏も、
「頭蓋底の骨折も髄液漏もかなりの重傷であり、『疑い』で放っておくなんてことはあり得ない。今回、CTスキャンを撮ったということですが、画像がはっきりしなかったのであれば、再度、角度を変えるなどしてCTを撮り直すのが一般的です。疑いが残ったまま退院させるのはおかしい」
と、首を捻(ひね)るのだ。仮に、2通目の診断書にどちらかの「思い」が反映されているとすれば、それは日馬富士側ではなく、貴ノ岩側のものということになる。加害者が、怪我の程度を重く「盛(も)る」はずがないからだ。
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