「貴乃花」の最終目標は「モンゴル力士」「八角理事長」の排除

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賭けに勝つには…

 貴乃花親方は、2016年の理事長選で敗北を喫した八角理事長だけではなく、日馬富士の師匠の伊勢ヶ濱親方との間にも因縁がある。

 理事長選の前に行われる理事選の投票権を持つのは約100名の親方で、理事の定員は10。各々、所属する「一門」のバックアップを受ける形で立候補することになるのだが、

「前回の理事選では、伊勢ヶ濱親方は一門の票だけでは足らず、貴乃花グループから票を回してもらって何とか当選した。その借りを返すという意味で、理事長選では貴乃花親方に1票を投じたのですが……」

 と、相撲記者が語る。

「理事長選が終わった途端、周囲も驚くほどの“手の平返し”で八角理事長にすり寄っていった。こうした裏切り行為に、貴乃花親方は当然、恨み骨髄でした」

 次の理事選は来年1月の初場所後に行われ、その後に新理事の互選による理事長選となる。果たして、貴乃花親方は前回同様に立候補した場合、リベンジを果たせるのか。

 現体制の理事の顔ぶれはある程度変わる可能性があるが、

「理事長選の立候補者は票を投ずることはできないので、八角理事長と貴乃花親方の2人が出た場合、総票数は8票。5票を確保した方が勝ちとなる。前回同様、理事を3人出していて3票を持つ出羽海一門がキャスティングボートを握る格好となるが、ここは毎回、多数派につこうとする。つまり、貴乃花が3票とれると分かれば貴乃花支持に動くわけだが、現状での彼の持ち票は1票なのでかなりキツイ」(相撲ジャーナリスト)

 そこで貴乃花親方は、日馬富士の事件を表沙汰にして世論を味方につけ、外圧で形勢逆転を狙ったのだが、

「今のところ貴乃花親方自身の不可解な行動も影響して世論の支持は広がっていない。彼が賭けに勝つには、例えば、モンゴル人力士の間に八百長がはびこっている疑惑を明らかにし、調査する姿勢を示すくらいの“演出”が必要です」(同)

 無論、それが相撲界にとって超のつく「劇薬」であることは言うまでもない。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

特集「思惑入り乱れる角界のアウトレイジ! 暴行『日馬富士』謀略『貴乃花』7つの謎」より

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