「貴乃花」の最終目標は「モンゴル力士」「八角理事長」の排除
「これで少しは動くかもな」。弟子の貴ノ岩(27)が横綱日馬富士(33)から暴行された、との被害届を鳥取県警に提出した後、貴乃花親方(45)は親しい知人にそう漏らした。実際、事態は大きく“動いた”わけだが、そんな彼の最終目標は、モンゴル人力士と八角理事長の「排除」だという。その「論理構成」や如何に。
***
鳥取県警が傷害容疑で日馬富士を任意で事情聴取したのは11月17日。場所は大相撲の聖地、両国国技館である。聴取を終えた日馬富士が国技館から出て車に乗り込んだのは午後9時17分。その現場はまさに“カオス”であった。
報道陣に取り囲まれた日馬富士の車は前に進むことが出来ず、「轢かれるよ!」「痛い痛い!」といった怒号や悲鳴が飛び交う。記者が「なんで暴行を働いたんですか!」と質問を投げかけるも、日馬富士は口を真一文字に結んで前方を見据え、微動だにしない。ようやく動き出した車はしかし、両国駅前の交差点で再び報道陣に取り囲まれた。夜の公道に溢れる無数の記者、明滅するカメラのフラッシュ……。それは、何とも異様な光景だった。
相撲界を大混乱に陥らせる記事がスポニチに掲載されたのは11月14日。九州場所が始まったばかりというタイミングで現役横綱の日馬富士に暴行疑惑が発覚したのだから大騒ぎになるのは当然である。
「貴乃花親方が以前、評論家として解説をしていたスポニチが今回の件を抜いたことから、誰もが“貴乃花親方のリークだな”と勘繰った。事件があったのは10月25日夜で、被害届の提出はその4日後ですが、貴乃花親方は九州場所が始まるまであえて引っ張り、“暴行横綱が土俵に立っている”という状況を演出した」(スポーツ紙記者)
そのおかげで相撲協会の聞き取りに対して「よく分からない」と答えたり、内容の異なる診断書が存在する、といった“謎”が生じたわけだ。
「飲み会の席で自分の弟子が暴行されたのだから貴乃花親方が激怒するのは当然のことです。しかし、親方の“怒りの源泉”は別のところにもあるのです」
とは、貴乃花親方に近い相撲協会関係者である。
「飲み会には日馬富士、貴ノ岩以外に横綱の白鵬、鶴竜、関脇照ノ富士もいたことが分かっていますが、対戦することが確実な横綱や関脇が場所の直前に皆で飲んでいること自体、貴乃花親方からすれば“あり得ない”。八百長の話でもしていたのか、と疑われるのは目に見えていますからね。貴乃花親方はこうしたいい加減なモンゴル人力士は排除すればいい、と考えています」
当然、モンゴル人力士に“やりたい放題”させている相撲協会の現体制に対する怒りも凄まじく、
「最終的に八角理事長の“首級”を挙げることを目標にして動いていることは間違いない」(同)
[1/2ページ]