30代「東芝」社員の転職日記 異業種メーカーは“最終落ち”、次がダメだったら…の不安

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面接官と盛り上がる

〈7月7日・金曜日 ボーナス支給日。支給額は昨年に比べて改善されたので、少し安心した。終業後、本社近くの五反田の居酒屋で同期の技術者と一杯やる。彼の評定は“Eランク”だが、自分はその下の“A”。しかも、彼は管理職に昇進するという。管理職になる彼の支給額は自分より多い。自分の上司は“ボーナスは2万円だった”と嘆いていたが……。会社の“技術者重視”は露骨すぎないか。新聞等では“毎月100人規模が退職している”と報じられているが、“グループ全体では、200人規模”という先輩の話を思い出す。明日は、電機メーカーとの2回目の面接。相手は、管理職だから気合を入れよう。〉

――東芝の勤務評定は上からE3、E2、E1、A、Bの5段階に分けられている。ちなみにEは優秀、最高を意味するエクセレントの頭文字。この時点で、退職者は“文系”社員が中心だが、“技術系社員”の大量流出を恐れて、彼らの多くにE評定を与えるなど引き留めに苦心している。

〈7月8日・土曜日 贔屓のサッカーチームこそ違ったが、面接官とはサッカーという趣味が同じで盛り上がった。面談の最後に“仮に”との前提があったが、地方勤務は可能かと聞かれる。独身だし、東京に未練もないので“ハイ”と即答。相手の顔を見ると、笑顔だった。今日に限っていえば、これまでで一番手ごたえがあった。〉

〈7月14日・金曜日 都市対抗野球が開幕した。我が“東芝ブレイブアレウス”も川崎市代表として出場する。初戦は5日後の日本新薬戦。社内では、“最後の都市対抗”と囁かれているので応援に行きたいが、試合開始は平日の午後2時からだという。応援に行くのは無理。数年前までは平日でも社員だけでなく、関連会社や取引先の社員にも動員をかけて、何台もバスを連ねて試合会場の東京ドームへ行ったのが遠い昔のことのようだ。会社の存続さえも危ぶまれる時だから、当たり前とはいえ野球部ばかりか、ラグビー部もバスケットボール部も存続は難しいだろうな〉

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