金融のプロはどう見る? マネックス証券松本大社長の「日経平均3万円」予想
「松本大」が説き明かした「日経平均3万円」のインパクト(下)
マネックス証券の松本大(おおき)社長(53)が語った「日経平均株価が2019年3月末までに3万円に達する」との予想は、大きな反響を呼んだ。松本社長はその理由について、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式運用比率が高まったことで、株価上昇に対する「国民のコンセンサス」が定着した点などを挙げる。
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松本社長のこうした“提言”は、金融のプロたちの目にはどう映ったのだろうか。
ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が言う。
「証券会社の社長が、期限を設けて日経平均株価の予想をするのは珍しい。松本さんは元々はゴールドマン・サックスのトレーダーで、根っからのマーケット好き。そういう、市場をずっと見てきた人が言うことには説得力がある。そうやって自分の見方を積極的に公開していくのは、株式市場の活性化という意味でも良いことだと思います」
日経平均が3万円に達するという予想については、
「“足元の好循環が継続すれば”というただし書きは付きますが、きっかけさえあれば、3万円に届いてもおかしくはないでしょう。例えば、これまで日本株は外国人投資家がメインで買っている相場だったのですが、そこに日本の個人投資家も参加する。すなわち、全員参加型のマーケットが形成されれば、3万円への道筋は立ってくるでしょう」
とした上で、松本社長が言及した「国民のコンセンサス」という点についても、こう評価する。
「GPIFが日本株での運用比率を高めたことで、年金という点で言えば、確かに、株高が日本国民全体にも恩恵をもたらす、という構図に変化しました。日経平均株価が上がることは日本全体にとって良いことなんだ、という国民のコンセンサス形成が進んでいるのは確かだと思います」
ドイツ証券元副会長で投資ストラテジストの武者陵司氏はこう語る。
「株価3万円という松本さんの発言はリスキーというより、その通りになる可能性が非常に高い。日本人はバブル崩壊で痛い目に遭い、株で損をし続けたというトラウマが、今も多くの人を金縛りにしている。それと同時に“株価が下がって当たり前”というデフレ的金融政策が打ちだされてきた。それが大きく変わった今、日本の株価はもっと高くなって当然なのです」
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