「日経平均3万円」のインパクト… マネックス証券「松本大」社長に真意を聞く
「松本大」が説き明かした「日経平均3万円」のインパクト(上)
何とも思い切った発言なのである。マネックス証券の松本大(おおき)社長(53)がぶちあげたのは、「日経平均株価が2019年3月末までに3万円に達する」との大胆予想。外せば大恥どころか信用問題に発展しかねないリスクを負ってまで発言した真意を、本人に聞くと……。
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マネックス証券の松本社長が会見を行ったのは11月9日。その場で、2019年3月末までに日経平均株価が3万円に達する、との見通しと理由を述べたのだが、多くの社員を抱え、顧客から預かった巨額の資金を運用する証券会社の社長がここまで具体的に株価の予想を行うのは異例のことである。だからこそ、数多(あまた)の投資家に極めて大きなインパクトを与えたわけだ。
松本社長が語る。
「まず前提として申し上げておきたいのは、我々は将来の株価を当てにいっているわけではない、ということ。我々が言いたいのは、日本の株式は長期的に見れば上がっていく、ということなのです。ただ、それではピンとこないでしょうから、“日経平均は3万円になる”と言ったわけです」
日本の株式が今後も上昇基調を続け、いずれ3万円を達成する、との考えに至った理由は3つあるという。その1つは海外市場との比較で、松本社長は、1987年にニューヨーク証券取引所を発端に起こった世界的な株価大暴落、いわゆる「ブラックマンデー」について言及する。
「アメリカのダウ平均はブラックマンデーの時に比べて12倍になっています。一方の日本の株価はバブル崩壊以降は下がり続け、その後も上がったり下がったりと波はあるものの、ずっと横ばいのままきています。そうした動きが今後も続くのか、それとも海外の株のように“長い目で見ると上がっていく”というふうになるのか。後者のようになるなら、政府が旗を振る通り、“貯蓄から投資へ”と考え方を変えても良いわけです。我々が言いたいのはまさにそこで、これからの日本の株は海外の株と同じように長い目で見た場合には上がっていきますよ、ということなのです」
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