「百寿者」目標なら歯が命! プロの「歯磨き」技、家庭で実践可能な“秘密兵器”

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受診してみると…

 これを踏まえ、まず50代男性記者(喫煙)が受診。

 院長いわく、

「全ての部位で6ミリ以上の重度歯周病はありません。中度が4・9%で、残り95・1%は問題ないか、歯肉に炎症があるものの、骨は健康な軽度歯周病(歯肉炎)の状態です。この程度なら適切なブラッシングで元に戻ります」

 出血の割合(BOP)については、

「全体で25・9%に出血がみられますが、この数値が10%以下に改善されれば、専門医は『治った』と判断しています。たばこは確かにリスク要因ですが、絶対的因子は細菌であり、これを助長するのがたばこなどの環境因子と、全身疾患や遺伝など宿主因子。歯肉炎から歯周炎に進む引き金となるのが宿主因子で、骨の退行を早めるのが環境因子だとされているので、こと歯周疾患に関しては、遺伝的になりにくい方にとってたばこはリスクではないとも言えます」

 もう1人、20代男性記者(非喫煙)も受診した。

「歯周ポケットが3ミリ以下の比率は93・7%と、先ほどの方と大差ありませんが、6ミリ以上が1・7%。年齢が若い分、将来的なリスクを考えれば重篤度が高いと言えます。これまでの研究で、重度歯周病の好発年齢はおよそ39歳とされており、それ以前に相当進行しているケースも多いのです」(同)

 BOPも50代記者の3倍近く、71・3%であった。

「歯周ポケット3ミリの歯を失う危険率を1とした場合、5ミリになるとリスクは8倍高まり、6ミリでは11倍。そして7ミリでは何と64倍にもなります。そこに炎症があれば、さらに64倍になると統計的に判明しています。つまり64の2乗倍のリスクというわけで、治療しなければほぼ確実に歯を失うことになります」(同)

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