“ボーイズラブ”元祖 「竹宮惠子さん」新たなる人気

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 代表作は『地球(テラ)へ』『風と木の詩』。作品を読んだことがなくても、華奢で妖艶な眼差しの美少年の画を目にしたことがある向きも多いのでは。1970年代、萩尾望都、大島弓子らと共に少女漫画界を席巻し、ブームを巻き起こした竹宮惠子さん。北九州市漫画ミュージアムで来月10日まで、個展が開催されている。

「お住いが県内なのを縁に、本館で個展を開かせていただきました。関東や関西からも熱狂的なファンが足を運ばれています。全盛期を知る50、60代の女性が大半ですが、20、30代の女性も多いですよ。流行りのBLの元祖ともいえるカリスマ的存在だからでしょうか」(北九州市漫画ミュージアム学芸員)

「BL(ボーイズラブ)」とは、少年同士の恋愛を描く漫画や小説のこと。女性が描き女性が読む、一部愛好家に強い支持を得る分野である。

「それまでも少年愛を描く少女漫画はいくつかありましたが、先生は76年に『風と木の詩』で初めて生々しい男性同士の性を描写された。それが今のBLの先駆と捉えられているんです」

 とは、担当の女性編集者。

「他にも近親相姦や虐待等、当時としてはあまりに斬新なテーマを扱い、また想像力に富むストーリーでハイブローな少女たちを虜にしてきました。ただ、学長を務められる京都精華大学の学生など若い世代にも新鮮に受止められているようです」

 新しいファンも増えつつある竹宮さん、このほど画業50周年を記念し、件の『風と木の詩』の「メモリアルセット」も刊行された。創作秘話が詰まった伝説のノート、20歳の時に描いた未公開の水彩画にサインを寄せた作品などが入った限定500部(新潮社刊)。定価は3万円と少し値ははるが、ファンには堪らない一点だ。

「通常は4色のみで構成される印刷物を最先端技術を使い10色で再現した水彩画『荊(いばら)の花束』は充分その価値があると思います」(同)

(直販のみのため、0120-910-263の新潮社「オンラインショップ」係まで)

週刊新潮 2017年11月23日号掲載

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