「村田諒太」大儲けでその気になった「山中慎介」の再戦ビジネス

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 V13をかけたタイトルマッチで敗れ、引退すると思われた山中慎介(35)が、現役続行を表明した。なんでも、リベンジに成功した村田諒太に、こっちの意味でも、そっちの方面でも、触発されたんだそうな。

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 実際、所属する帝拳プロモーションの浜田剛史代表は、山中について、

「1カ月ほど前から練習を再開していて、いま、試合がやりたくてウズウズしている状態です」

 と言うし、帝拳ジムの本田明彦会長も、

「気持ちは入って前向きで、12度目、13度目の防衛戦前とは、まるで別人です」

 と話す。ちなみに、山中が敗れたのは8月15日、WBC世界バンタム級タイトルマッチで、メキシコのルイス・ネリに4回TKOを食らったのだ。その対戦前からのことを振り返って、本田会長が続ける。

「山中とは、ネリとの試合で勝っても負けても引退だと話していました。11度目の防衛戦で山中は燃え尽き、気持ちが前向きでなかった。だから12度目の前に“これに勝ったら辞めろ”と言ったし、13度目の前も同じような状態でした。そんなところでネリにKO負けしたので、“十分やった”と私も考えておりました」

 ところが、である。

「本人はベルトを失った敗北に納得がいかず、9月下旬に“練習だけやらせてください”と言ってきた。負けてやっと火がついたようで、あまりに調子がいいので、現役続行です」

 そして本田会長は、

「今回、WBCがネリとの再戦命令を出した。チャンピオンは向こうだから、条件や日程は向こう側に主導権があります」

 と言いながらも、とにかくネリとの再戦を望んでいるのが伝わる。だが、ネリはドーピング検査に引っかかったのではなかったか。

禁止薬物も不問で

「A検体、B検体の双方から、動物の筋肉の血管を拡張させるジルパテロールが検出されたのに、本部がメキシコにあって会長もメキシコ人のWBCは不問に付した」(ボクシング記者)

 そして不思議なことに、浜田代表も本田会長も、問題にしている節がないのだ。

 民放関係者によれば、

「10月22日、選挙速報と同時放映だった村田諒太のリベンジマッチは、今年のフジテレビで最高の20・5%の視聴率を記録。男のリベンジは数字が取れると気づいた帝拳側も、WBCに厳しい処分を求めなかった」

 実際、浜田代表も、

「WBCは時間をかけて慎重に論議し、結論を出しましたよね」

 と“理解”を示すのだ。ビジネスの規模だが、あるプロモーターが言う。

「山中のファイトマネーは推定5000万円でしたが、次は挑戦者。山中2000万、ネリ3000万として、会場費なども含め8000万円程度。放映権料が4000万円としても、山中なら残りをチケットを売って埋められる」

 さて、先の民放関係者は、

「山中の再戦を中継するのは、従来の縁で日テレが有力ですが、土曜から水曜まで並ぶ高視聴率番組を休んでまでは中継しないはず」

 スケジュール次第で他局にも希望が。本田会長も、

「今、日本のボクシング中継はフジとTBSが2大巨頭。今後、帝拳はフジに出てもいいし、日テレでもTBSでもいい」

 各テレビ局も「火がついた」ようである。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

ワイド特集「ざんねんなにんげん事典」より

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