座間「首吊り士」を生んだ「別居父母」の胸中

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 繊細なる女性たちの心の闇に忍び込み、邪(よこしま)な欲望に耽溺した、白石隆浩容疑者(27)。シリアルキラーは、どのように育ったのか。父母の27年間は、「首吊り士」を育むために費やされたのか。

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 現場となった座間市内のアパートから車で10分。今は白石容疑者の父が住む「実家」近くの住民が言う。

「今年のいつだったかな、お父さんと道で会ったんです。そうしたら“これから息子と呑むんだ!”と嬉しそうな顔をして言われましてね。仲のいい親子。そう思っていたんですけどね」

 白石容疑者が生まれたのは1990年の10月である。4年後、妹が誕生した翌年に、一家は座間に新居を構えた。木造2階建ての「我が家」で、父は自動車の部品の設計を行い、メーカーに納品。一家を養っていた。

 町内会のメンバーが言う。

「お母さんは主婦で、PTAの役員もしていました。一方のお父さんは、とても親切でね。ご近所さんが病気になるとお見舞いをしたり、雨に濡れている人を見れば傘に入れてくれる。“気にしないでいいから〜”と言って、最後はハンカチで肩を拭いてくれるような人なんです」

 この父母の元で、白石容疑者は地元の公立小中学校に通った。同級生によれば、

「タカちゃんはインドアなタイプでおとなしい子でした。でも、中学では野球部、その後陸上部にいた。生活委員も務めていましたよ」

 と言うから、「恵まれている」かどうかはともかく、後の凶行とはかけ離れた“育ち”に見えるのである。

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