森永卓郎が語る「糖尿病」経験 著名人が明かす克服法
「糖尿病」1000万人時代! 著名人が明かす「私はこうして国民病を克服した」(1)
有病者1000万人、予備軍1000万人――。糖尿病は静かに進行し、様々な合併症や大病を招く国民病だ。それを克服した経済アナリスト、悪化させたお笑いタレント、コントロールに成功した大物芸能人。彼らの証言から見えてきた、“サバイバル術”とは。
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経済アナリストの森永卓郎氏(60)が糖尿病と診断されたのは、2009年の12月頃だった。
「ズボンが穿けないくらい右足がパンパンに腫れて、病院に行ったら、傷口から入った雑菌が原因であることが分かったのですが、医者から“足が化膿したのは、糖尿病にかかっていて免疫力が低下しているせいかもしれないから調べた方がいい”と言われましてね。で、調べたら案の定、糖尿病と診断されました。その時の血糖値は600mg/dl、ヘモグロビンA1c(HbA1c)は一番悪い時で11・7%でした」
空腹時血糖値が126mg/dl以上、HbA1cが6・5%以上の場合、「糖尿病が強く疑われる」との診断が下される。ちなみに去る9月、新聞各紙に、
〈糖尿病1000万人〉(朝日新聞)
〈糖尿病 初の1000万人〉(読売新聞)
といった大きな見出しが躍ったが、記事によると、厚生労働省の2016年の調査で、HbA1cが6・5%以上の「有病者」が初めて1000万人の大台を突破したという。まさに「国民病」なのである。
「さらに、最近問題になっているのが、検査時には血糖値が110mg/dl程度で“高めだけど基準値内”でも、食後には126mg/dlを超えてくる“境界型糖尿病”とか“隠れ糖尿病”と言われるものです」
とは、品川イーストワンメディカルクリニックの板倉弘重理事長。
「HbA1cは検査時からさかのぼって1〜2カ月の血糖値の平均を反映するので、“隠れ糖尿病”を見つけるのに有効です。そして、この“隠れ糖尿病”、すなわち糖尿病予備軍の人は、厚労省の試算で、糖尿病になってしまった人と同じ約1000万人いると推計されているのです」
森永氏の場合、血糖値が基準の約5倍、HbA1cが基準の約2倍という「異常値」を示していたわけだが、その原因は明らかだった。
「あの頃は猛烈に忙しくて、睡眠時間は2〜3時間。仕事のストレスで食べるというよりは、起きている時間は常に何か食べていないと体力が持たなかったんです。コーラとかサイダーとか、炭酸飲料が大好きで、1日に5リットルもガバガバ飲んでいたのも良くなかったんでしょう。計算すると、当時の摂取カロリーはざっと5000キロカロリーほどありました」
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