史上最高額「510億円」のダ・ヴィンチ「幻の作品」で「367億円」儲けた男の正体

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たった45ポンド(6000円)で落札!

 久しぶりに表舞台に出たのが140年ほど経った1900年のこと。だが、この時すでに“ダ・ヴィンチ”にかつての面影はなかった。キリストの顔や髪は大きく描き変えられて、弟子のベルナルイディノ・ルイニの作品として、英国の絵画コレクター、フランシス・クック卿に売却される。だが、翌年にクック卿は亡くなってしまう。

 1958年、クック卿の子孫により、ダ・ヴィンチはサザビーズのオークションにかけられる。落札価格は45ポンド(現在のレートで約6000円)だった。この間、このダ・ヴィンチで大きく儲けたものはいないようである。

 弟子の絵という評価のまま、ダ・ヴィンチは再び姿を消す。

 およそ半世紀を経てダ・ヴィンチが現れたのは2005年。今度はアメリカの競売で、アレックス・パリシュら複数の美術専門家が落札し、ようやく本格的な修復と鑑定が始まる。

 修復はニューヨーク大学のダイアン・モデスティーン教授が6年をかけて行ったといわれる。その中で、本物だ!という確信を得たとか。

 再び海を渡ったダ・ヴィンチは、ロンドンのナショナルギャラリーに持ち込まれ、「本物のダ・ヴィンチ」と結論づけられ、2011年に同館で一般公開されて大人気に。

 2年後の2013年、ダ・ヴィンチは本物としてまたサザビーズの競売にかけられる。8000万ドル(現在のレートで約90億円、以後同じ)でモナコのスイス人美術商が落札し、1億2750万ドル(約143億円)で転売。転がすだけで50億円以上なら、この美術商が一番儲けたように思われるが、この差額を知った男に「詐欺だ!」と訴えられてしまう。

 その男こそ、ロシアの大富豪で、サッカー・フランスリーグのASモナコの会長をなどを務めるドミトリー・リボロフレフであり、彼が今回のオークション出品者とAFP通信が報じているのだ。

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