山口記者の週刊文春「韓国軍にベトナム人慰安婦」記事はやはり捏造だった
文春の反論は
これに対して文春は、11月2日号で〈捏造記事の指摘に答える〉という反論を展開した。概略は次の通り。
①(公文書には)米軍の捜査の結果、当該のトルコ風呂(売春施設のこと)は、韓国軍のみではなく、ベトナム国民以外の人々も使用していたとある。
②当然のことながら、文春は文書を精査している。
③山口氏が取材した米軍OBや元海兵隊員らの証言だけでなく、ベトナムと韓国にも記者を派遣して裏付け取材をした。
④ベトナムに韓国軍が関与している慰安所があったことは、じゅうぶんな裏付けがあり、世に問う意義があると判断し、記事を掲載。
⑤この問題に詳しい専門家らが同様の主張を展開。
まず①は、前述のように公文書の言う内容そのものだ。しかし、山口記事ではそのように正しく紹介されていなかったことは既に触れた。②の姿勢が真実ならば、なぜこうなるのか。
本誌記事において〈山口氏は故意に無視しており、捏造と言われても仕方がないでしょう〉とコメントした有馬哲夫・早大社会科学部/大学院社会科学研究科教授に聞くと、
「この度、文春から取材を受けました。その際に捏造という言葉を取り消すようにと執拗に迫られたのです」
とし、こう打ち明ける。
「私は“Rather, it appears to be a public establishment which caters to the general public, excluding Vietnamese nationals...”(むしろベトナム人以外の一般大衆に開かれた施設であると思われる)の文が、山口氏の当該記事ではなぜなくなっているのか説明してください、議論の余地がないと思います、と伝えました。にもかかわらず、文春の反論記事に引用された私のコメントは、それに続く部分だったのです」
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