ダルビッシュ、Wシリーズ連続KOでも“FA戦線”トップの事情

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 ワールドシリーズ第3戦、第7戦に先発したドジャースのダルビッシュ有(31)。いずれも2回途中でKOされ、チームが世界一を逸した“主犯”の一人だが、今オフはFAである。そのプライスタグはどうなるのか。

 アメリカでは、FA選手の予想契約金ランキングを各メディアが発表している。8月末にMLB公式サイトが掲載したランキング記事では、ダルは野手を含めた全選手中で1位! 金額は、なんと6年1億3000万ドル(約148億円)である。

 これがWシリーズ後にどうなったかだが、11月5日に掲載された同サイトの最新のランキングを見てみると、ダルは依然として1位。金額は6年1億4000万ドルで、意外にもアップしているのだ。あれほど無様に打ち込まれたというのに、なぜ評価が上がるのか。

「市場原理に救われましたね。今年のFA市場は大物、特に先発投手の出物が少ないので、ダルに追い風の売り手市場なのです」

 とメジャーリーグ研究家の友成那智氏が解説する。

「ダルは今シーズン途中までテキサス・レンジャーズに在籍していました。かの地の気候は高温かつ乾燥していて、ボールが飛び、ホームランが出やすい。ダルのようなフライボールピッチャーにとっては最悪の環境なのです。そこで彼は4年間それなりの働きをしているので、以前から高い評価を得ています。肘の手術をして以降、球速が増したことも好材料です」

 同サイトが移籍先候補に挙げているのは、イチローが長年在籍するなど日本人になじみが深いマリナーズ。任天堂が筆頭株主だったこともあり、2000年以降、マ軍は日本人選手を欠かしたことはない。任天堂は昨年8月にマ軍の株式を大量に売却したが、依然として10%を保有し続けている。

「マ軍は先日、現在唯一の日本人選手である岩隈久志と契約しないことを決めました。そのため、代役としてダルの獲得が噂されているのです」

 もっとも、ド軍も、

「右の先発が足りない。金満球団ですし、Wシリーズのことは一旦忘れて、ダルに好オファーを出すかも」

 各球団を手玉にとれるか。これまた腕の見せ所である。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

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