15歳「原節子」デビュー作が上映 セーラー服、水着、浴衣姿も

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「魂(たま)を投げろ」(監督・田口哲)は、あの原節子さんの現存する最古のフィルムだという。初公開は、昭和10年9月26日。撮影が同年8月というから、6月17日生まれの原さんは、嗚呼、15歳になったばかりである。

 ファンにとっては垂涎(すいぜん)のお宝映像が、東京国立近代美術館・フィルムセンターで上映される(11月17日)。題して「特集・逝ける映画人を偲んで 2015〜2016原節子選集」(11月23日まで)。

 原さんはデビューの昭和10年にたて続けに撮影にのぞんだ。この出演第3作が、オリジナルは65分のサウンド版だが、途中部分(26分)のみが無声で残っていた。甲子園を目指す旧制中学の野球部を描いた青春譜。原さんはエース投手の妹役で15歳とは思えない美貌が素晴らしい。

 フィルムを見つけたプラネット映画資料図書館を主催する安井喜雄さんが語る。

「これには“表書き”がなくて、何かわからなかった。中を観ても冒頭部分がなく、途中で始まって途中で終わっています。だからタイトルがわからないのです」

 最初はこのフィルムが原節子出演作だとさえ気付かなかったというから驚きだ。

「観ていくと、有名な女優が出てくる。それで、話の筋に合う映画を探していって、それが『魂を投げろ』しかない、との結論に達したのです」(同)

 この作品の中で、原さんはセーラー服に水着、浴衣姿まで披露におよぶ。まさに初々しい15歳の色香である。

 原節子さんの熱烈なファンで著書もある作家の片岡義男さんが言う。

「このフィルムセンターの試みは素晴らしいですよ。今ではもう観られない作品が多いですから。僕もリストを睨んで、見逃している作品をチェックしておきたいな」

 たった520円で観られます!

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

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