「イヴァンカ」来日のドタバタ劇 当日に夕食用意、銀ブラに備えた警備プラン…
ゴルフ外交に向けた「練習」
遡ること2日の11月3日昼過ぎ、神奈川県茅ヶ崎市。秋の穏やかな日差しを浴びた安倍総理は弾けた笑顔を見せていた。
そのほぼ真北に位置する同県座間市は、稀代のシリアルキラーによって血腥(ちなまぐさ)い憂鬱に包まれていたが、そうした巷(ちまた)の空気をよそに、安倍総理はとびっきりの笑みを浮べていたのだ。
ゴルフ場「スリーハンドレッドクラブ」。一緒にラウンドし、彼の笑顔を目の当たりにした長谷川栄一総理補佐官は、記者団にその様子をこう明かしてみせた。
「総理は『よしっ!』といった具合に身振り手振りが激しくて、ゴルフをとても楽しんでいた。(総選挙等で)よほどストレスを溜め込んでいたんだろうね」
確かに安倍総理がゴルフに興じたのは半年ぶりのことであった。しかし、彼の心を軽くしていたのはそれだけが理由ではない。この日のプレーには、多分に「練習」の意味合いが含まれていたのだ。2日後には、トランプ大統領との「ゴルフ外交」が控えていた。安倍総理にとって彼は、大統領選勝利直後にわざわざ米国まで赴き、「ラブコール」を直接伝えた「思い人」。どうしたら彼を喜ばせることができるか。あたかも恋する乙女の如き安倍総理は、5日、「日本の中の米国」に降り立ったトランプ大統領と、楽しく、無邪気に、そして健気にゴルフに興じたのだった――。
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