キタサンブラック、種馬ライフへ向けて最後の“銭闘”

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 春秋連覇は史上5頭目、3勝したのは2頭目というから、快挙である。

 秋の天皇賞(10月29日、東京競馬場・芝2000メートル)を制したのは、北島三郎の愛馬・キタサンブラック号(牡5歳)だった。

 スポーツ紙競馬担当記者が言う。

「朝から大雨が降り続き、馬場はぐちょぐちょの泥沼状態。特に走路の内側がひどかった。でも、この状態こそが、キタサンには完全に有利に働きましたね」

 というのも、

「多くの馬が雨や不良馬場を嫌がるのですが、キタサンには苦ではなく、むしろ大得意。今回はスタートに失敗して出遅れてしまいましたが、荒れていてガラガラの内側をすいすい走り抜け、最後の直線では、難なくトップに躍り出ました」(同)

 もっともゴール前では、猛追するライバル馬・サトノクラウンとデッドヒートを繰り広げたものの、

「クビ差で振り切り、完勝。レースの行方を観覧席から心配そうに眺めていたサブちゃんも、笑顔を爆発させていましたね」(同)

 キタサンブラックは今後、ジャパンカップ、有馬記念へ出走し、引退の予定。来季からは種牡馬となる。

「その2戦の結果が、種付け料にも影響してきます」

 とは、競馬関係者。

「どちらも1着となれば、獲得賞金ランキングで確実に歴代第1位となります。新たな箔がつき、種付け料も上乗せが期待できる」

 仮に3連勝で引退した場合、初年度の“1回”のお値段はというと、

「200万ほど上乗せして、500万円ぐらいですかね」

 ディープインパクトが1200万円だったことからするとお安い気もするが、

「ディープはスピードタイプ。足の速さは仔に遺伝しやすいんです」

 一方のキタサンは、

「スタミナタイプで、こちらは遺伝しにくく、値段は低めになる。もちろん、デビューした産駒が活躍しだせば、価格は上がりますよ」

 順調にいけば、来季は年間約60回の種付け……。がんばれサブちゃん、いやキタサン!

週刊新潮 2017年11月9日神帰月増大号掲載

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