「陸王」「半沢直樹」TBSディレクター“福澤諭吉の玄孫”克雄氏「ヒットの秘密」

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あだ名は「ジャイさん」

 当然ながら幼稚舎から慶応。そして意外なことに、最初にスポットライトを浴びたのは、慶応大学のラグビー部員として、だった。当時の監督は名将・上田昭夫氏。85年に大学選手権で優勝、日本選手権でもトヨタ自動車を破り、慶応史上初のラグビー日本一に輝いた。

 福澤氏は日本代表に選ばれた。だから体型は尋常ではない。現役時は195cm、100kgだとの説もある。ポジションはフォワードのロック。フォワードの中にあっても飛び切りの運動量を要求される。そんな“肉体派”ヒットメーカーの撮影現場を「陸王」に詳しい関係者が明かす。

「端的に言えば非常に厳しい現場です。緊張感が半端ではありません。編集の妙で気づきにくいですが、池井戸=福澤ドラマは長いシーンが結構あります。しかもセリフは業界の専門用語が散りばめられている。役者さんは舞台のように長いセリフを覚える必要があります。そして実際のところ、覚えられなかった役者さんが撮影現場に来ることも、決してないわけではありません」

 そういう時、ディレクターの福澤氏は遠慮なく怒るという。あだ名はジャイアンから転じて「ジャイさん」だ。さぞかし怖いに違いない。

「そもそも最近のプロデューサーやディレクターは、出演者側がミスをしても、怒らないことが増えています。パワハラが問題視される風潮と無関係ではないと思いますが、福澤さんは相手が誰でも平等に怒ります。大手の芸能事務所に所属していても、主演でも、ベテランの大物でも、ミスをすれば怒る。映画の山田洋次監督、演劇の蜷川幸雄さんと並ぶ、怖い演出家として知られています」(同)

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