「陸王」「半沢直樹」TBSディレクター“福澤諭吉の玄孫”克雄氏「ヒットの秘密」

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諭吉の「やしゃご」

 TBSの先輩で「ビューティフルライフ」(00年)を大ヒットさせた生野慈朗氏が06年、朝日新聞で次のように回想している。

《89年、ある撮影現場で、自分の背中をじっと見ている人間がいました。貴島誠一郎氏です。「生野さんと仕事がしたい」と言ってくれました。

 貴島氏は大学卒業後、証券会社に入社。その後どうしてもテレビの現場の仕事がしたいということで、TBSに入社し、営業部を経て、ようやくドラマのプロデューサーになったという熱血漢です。そしてこの時僕についてくれたチーフAD(演出助手)が福澤克雄氏。彼はフィルム会社にいたのですが、クリエーティブな仕事に対する熱い思いからTBSに途中入社。

 生野はというと、高校・大学と7年間体育会フェンシング部に所属していた純体育会男。(略)そんな3人が集まって作ったドラマが「ずっとあなたが好きだった」です。冬彦さんで話題になり、高視聴率を獲得しました》

 この証言から、福澤氏がAD時代からヒット作の現場を体感していたことが分かる。福澤氏は「3年B組金八先生」シリーズ(96年以降)で頭角を現し、「さとうきび畑の唄」(03年)、「砂の器」(04年)、「華麗なる一族」(07年)など話題作を手掛ける。映画も「私は貝になりたい」(08年)を監督している。

 福澤氏の何よりもインパクトのある経歴(?)は「福澤諭吉の玄孫」だ。諭吉の次男が捨次郎で時事新報の社長。その息子・時太郎は銀行員。時太郎は2男1女を成し、その長女である和子氏が、福澤ディレクターの母という系譜になる。

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