落選8人でも衰えない「二階派」しゃぶしゃぶ慰労会

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 永田町、議員会館の入り口近くに2カ所あるエレベーターは、総選挙直後に1カ所しか使えなくなる。落選議員が荷物の搬出に使うからだ。

「敗者」は容赦なく表舞台からはじき出される。その点、永田町を去る者にも手厚いのが、二階俊博自民党幹事長(78)である。

 政治部デスクの解説。

「自民党は284議席を獲得しましたが、派閥の中では二階派の落選議員が突出して多かった。西川公也元農水相を始め、8人の前職が落選しました」

 10月26日には選挙後初の二階派の会合が行われ、二階幹事長は所属議員に“地元をおろそかにするな”と発破をかけたという。

「その前夜、落選議員を囲む慰労会が開かれたのです」

 と、二階派の関係者。

「落選組がみんなで二階さんに挨拶に行こうとしていたところ、セットしてくれました。場所は千代田区紀尾井町の商業施設にある人形町今半。二階さんの年齢を考慮し、味の濃いすき焼きではなく、しゃぶしゃぶでした。派閥幹部も来られ、全部で10人ほどの会となりました」

 出席者が言う。

「新潟の金子恵美さんや、北海道の中川郁子さんも出席。なぜか金子さんの夫、宮崎謙介さんもいた。二階さんからは“落ち込まず、とにかく地元を歩け”というアドバイスがありました。ひとまず、二階派の落選議員でグループを作って、派閥の例会に交代で出席することになった」

 気配りの二階氏は派閥の議員が減った穴埋めもいち早く行っている。

「5人の新人議員をすでに二階派に入会させています。もう2人加われば、岸田派(45人)を抜いて第4派閥になる。他派閥も警戒していますよ」(先のデスク)

 その言葉を裏付けるように、当の二階派幹部はこう口元を緩めるのだ。

「さらに、別の新人議員2人が派閥入りする予定がある。うちは来るものは拒まず、が方針ですから」 

 この抜かりのなさもまた、二階流――。

週刊新潮 2017年11月9日神帰月増大号掲載

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