3000m走で世界新 81歳“スーパー婆ちゃん”
御年81歳のアスリートが、世界記録更新──。
中野陽子選手である。陸上全日本マスターズ選手権(10月27日~29日、和歌山市・紀三井寺公園陸上競技場)の初日に行われた3000メートル走(80~84歳)で、14分27秒49を叩き出し、自身の世界記録を約20秒更新したのだ。
大会関係者が驚く。
「彼女はスタートから7周目までは、1周2分弱のペースを保っていましたが、最後の半周で、いきなりペースを上げてきました」
しかも、
「レース直後も特に息切れすることもなく、淡々とされていましたね」(同)
実は彼女、マラソン界では、知る人ぞ知る“レジェンド”なのだという。
マラソン雑誌記者の話。
「もともと彼女はアスリートでもなんでもなく、洋裁店を営んでいた一般人。スポーツは、スキーを趣味でやっていたくらいなんです」
ところが、
「70歳になったのを機に、“新しい趣味を”と、フルマラソンに挑戦。こつこつ練習を重ね実力を付け、サブフォー(4時間を切ること)を達成しました」(同)
今年の東京マラソンでは、4時間11分45で、クラス世界記録を更新している。
当のご本人に、今回の快挙の感想を伺うと、
「最後、少し速く走り過ぎましたね。記録を塗り替えるのが大変になりました」
と、笑った上で、
「私はマラソンがメインなので、3000メートル走はそれに向けての練習なんです。無理せず、楽しく、練習を続けるのが、記録を伸ばすコツですかね」
さらに、
「実は今日(10月29日)も茨城の水戸でフルマラソンを走ってきたところなんですよ。タイムは4時間35分4秒とまずまず。ただ、大雨でずぶ濡れになり、さすがに寒かったですけど」
大田区在住。週に3~4回、多摩川沿いを走り込む。