イヴァンカ来日で接待は「超高級料亭」と「新型和風旅館ダイニング」の対照

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“個性派”の財界人も「つる中」に登場

 05年8月10日に朝日新聞が「(ニッポン人脈記)「国家再建」の思想:13「石原選挙」裏で支える」という記事を掲載している。「つる中」の登場部分を引用させてもらおう。

《「つる中」会と言って、東京・赤坂の同名の料亭に集まる財界人の会があった。新日本製鉄の永野重雄、フジ・サンケイグループの鹿内信隆、東急グループの五島昇、日本精工の今里広記らが常連で、中曽根や石原を呼んだ。作家の今東光や山岡荘八、将棋の升田幸三らも顔を出した》

 幹事役とでも言うべき元新聞記者が当時を回想して言う。

《「財閥系は保守本流とつながっている。しかし、つる中に集まったのは個性派の人たちで、官僚支配とアメリカ従属の政治に反発していた。中曽根さんや石原さんに期待していたんです」》

 だが新聞記事では、森首相以後「つる中」の登場は途絶する。国会から近いこともあり、赤坂の料亭は「夜の永田町」だった。ピーク時には60店の料亭があったとされるが、現在は数店に減少している。

 著名な「赤坂 金龍」も2009年5月、リニューアルして再出発。「歴代の首相で訪れたことがない人はいない」と言われた「口悦」は今年(17年)3月31日に閉店となった。

 そんな中、トランプ大統領の“右腕”ともされるイヴァンカ氏が来日初日、かつての料亭政治の「味」を堪能。そして翌日には安倍首相と共に、いわゆる「Omotenasi」の接遇を受けたことになる。

週刊新潮WEB取材班

2017年11月4日掲載

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