“痩身医”や美術品修復… 世界40カ国の北朝鮮「出稼ぎ労働者」は日本人と誤解!?

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アフリカの人々は北朝鮮人と日本人の区別が不能

 国際社会にとっては困ったことに、こういう新しいタイプの労働輸出は、国連の規制をすり抜ける可能性があるという。

「私はアフリカで現地調査を行いましたが、やはりかの地の人々は、中国人と北朝鮮人と、そして日本人の区別がつかないんです。もし北朝鮮の出稼ぎ労働者が『我々は中国人だ』とか『我々は日本人だ』と嘘をつけば、信じてしまう危険性もあります。また出稼ぎ労働者を受け入れる会社や、医師のクリニックや美術品の修復は、北朝鮮以外の国籍を持つ人間に設立させれば、ある程度のカムフラージュが可能です。国際社会が監視に力を入れたとしても、北朝鮮の出稼ぎビジネスを根絶やしにすることは難しいはずです。むしろ偽装が巧妙化する最悪のシナリオを考えておくべきでしょう」

 それこそ中国やロシアでの単純労働であっても、偽のパスポートを持たせることは可能だろう。そうした“裏技”は、北朝鮮が最も得意とするところだ。

「北朝鮮にとって外貨は文字通りの生命線です。獲得のためなら、どんなことでも、どんな手段でも使います。残念なことですが、在日朝鮮人の方々が、親や親類を少しでも助けようと送金する円ですら、回りまわって核・ミサイル開発に使われてしまうという苦い現実があります。核・ミサイル開発の資金源を断つには、相当な困難があることを認識しなければなりません。そのためには今以上の国際協調が必要です」

 日本だけでなく、世界が切歯扼腕する中、北朝鮮は高笑いしながら核・ミサイル開発を続ける――こんな悪夢のシナリオも、その現実性は決して低くない。これがリアルな現状なのだ。

週刊新潮WEB取材班

2017年11月3日掲載

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