盟友「前原」地獄に落ちて「辻元清美」が昇った天国への階段

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 民進党の「死」で、閻魔さまの裁きを受けた2人のその後は対照的だ。代表辞任の意向を明らかにした前原誠司氏(55)は、地獄に落ちた心持ち。そんな蜘蛛の糸を待つ盟友を他所に、天国への階段を昇ったのは立憲民主党の辻元清美政調会長(57)。彼女の地元・大阪10区を訪ねれば、その身の処し方が見えてくるのだ。

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 この土地ではこんなジンクスがあるという。勝った候補は次の選挙で負けて比例になる――事実、1996年以降、連続当選した候補者はゼロ。約17年もの間、投票率は府下1位で無党派層が多く、その時々の「風」に左右される。そのため、夜8時に当確を打てるメディアはない激戦区で、辻元氏は2005年以降、現在は維新の松浪健太氏(46)と争ってきた。

 ところが、である。

「今回は開票直後に当確が出て、松浪氏に勝った。これで初めて連続当選を達成。ジンクスを打ち破りました」(在阪記者)

 勝因は、彼女が前原氏の誘いを断り、筋を通したこと。そう盛んに報じられてはいるが、地元・高槻のベテラン市議はこんな意見だ。

「確かに、判官贔屓の同情票が集まったけど、選挙中に彼女が胸を張る実績といえば、国交副大臣時代の話。尖閣警備のため、海保最大級のドデカい巡視艇を導入したとか、関空・伊丹の黒字化を達成したとかね」

 言うまでもなく、この時の彼女のボスは、国交相だった前原氏その人である。

 政治部デスクによれば、

「当時、前原氏の下でコンビを組んだ辻元氏は、後に民主入りを果たすきっかけを得た。先の代表選後は前原氏体制の下で執行部入りも果たしますが、希望との合流で盟友関係は破綻したのです」

 つまりは、小池氏の「排除」の論理で地獄に落ちかけた辻元氏に、前原氏は救いの手を差し伸べることはできなかった。その後、枝野氏の新党にいち早く合流して天と地が逆転したのだ。

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