「金子恵美」落選 特権意識がのぞいた「安倍総理に応援電話」要求
電話して欲しいリスト
そんな彼女が特権意識をのぞかせた出来事が、選挙でも起こっていたのだ。
地元紙記者が振り返る。
「公示日に二階幹事長が来て、“志帥(しすい)会(二階派)で守るから彼女を頼む”と檄を飛ばし、その翌日には総理が街頭演説に立ったかと思えば、また次の日も、二階派最高顧問の伊吹文明元衆院議長が応援に入りました」
まだ当選2回の彼女のために、党の重鎮が連日押しかける。それだけではないと県連幹部が話を継ぐ。
「二階さんや河村建夫元官房長官が、企業や団体を直接まわり支援を呼びかけた。選挙区内には、ファンヒーターで有名なコロナをはじめ上場企業が多いからね」
さらに、こんな「特別扱い」まであったと続ける。
「総理から経営者に直接の応援依頼の電話があり、菅官房長官から貰った人もいたとか。元になったのは選挙区内の主力企業約20社の連絡先。金子選対がここに電話して欲しいというリストを作成したのです」(同)
絶えず受話器を離さない“ブッチホン”のように、安倍総理が電話魔という話は聞かない。結果をみれば、総理以下、お歴々の顔に泥を塗った格好だが、当の金子事務所の言い分はこうだ。
「確かにリストは提出しましたが、それは党本部の指示でこちらから依頼はしていません。あくまで総理側の判断だったと思います」
だが、ある後援会関係者はこんな意見を口にする。
「我々の常識では、2回生で総理に電話をさせること自体が恐れ多い。本来は“お手を煩わせては申し訳ないので、お気持ちだけ戴きます”と丁重に断るのが筋で、自力で闘うべきですよ」
この声をどう聞くか。改めて、敗戦の弁を終えた金子氏を直撃すると、
「さっき答えましたよね?」
と睨み顔で、足早に車へ立ち去る始末――総理への“借り”はどう返すのか。
[2/2ページ]