安倍総理を援護したくて虚報発信! 「韓国軍に慰安婦」記事 山口敬之と公使のメール公開【検証4】

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文春、山口氏の回答は…

 ちょうどその頃、山口氏に対して、TBS本社からの“召還命令”が届いていたとされる。それは、本社が認めなかったものを他媒体で紹介したことについて東京側は事情聴取を行いたかったからである。彼が東京港区の「シェラトン都ホテル東京」に滞在したのは4月1日から4日午前まで。帰国中の3日夜から4日未明にかけて詩織さんはレイプされた。就職の相談のはずが飲食店に2人きりで誘われ、2軒目で詩織さんは意識を喪失。下腹部の痛みで目覚めた時には、ワシントン支局長に組み敷かれていたのだった。3月26日発売の文春記事がなければ召還も、望まぬ行為に巻き込まれることもなかった。公文書捏造という“罪”が背徳行為を誘発したということになる。

 文春に聞くと、「真実性、少なくとも真実相当性があると判断し、記事掲載に至りました」とし、逆に、「戦時下のベトナムにおいて、ベトナム国民は使用を認められていない施設が〈一般大衆にサービスを提供する一般に開かれた施設〉との(新潮の)指摘には、無理があり」と主張する。しかし、公文書そのものが〈一般大衆にサービスを提供する一般に開かれた施設〉と言っているのだ。

 他方、山口氏は、

「(公文書にあるのは)『当初は韓国軍専用の慰安所だったが、(調べてみたら)他の人も使えるようになっていることが分かった』という事です。要するにアメリカ軍司令官は、週刊文春のタイトル通り『韓国軍の慰安所があった』と断定しているのです。韓国兵のための慰安所を、他の友軍の兵士や関係者に使わせていたからと言って、そこが韓国軍の慰安所ではなかったということにはなりません」

 公文書の該当部分は、捜査対象となったトルコ風呂所有者の“主張”に過ぎない。“事実”は、捜査の結果、そのトルコ風呂が韓国駐屯軍の便益のためだけに営業していたわけではなく、ベトナム国籍を有する者は除くが、一般大衆にもサービスを提供する開かれた施設であると思われるということだ。

 加えて「そこが韓国軍の慰安所ではなかったということにはなりません」と山口氏は言うが、問題は韓国軍の慰安所だったと証明する箇所がこの公文書に全く見当たらないことにある。また、彼の回答には「他の人も使えるようになっていることが分かった」とあるが、公文書にそうあると元の原稿では1文字も触れていない。元大佐らのコメント捏造問題については、確認に時間がかかるとし、期限内に回答しなかった。

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