「韓国軍に慰安婦」記事、証言者は山口敬之に憤り 「言っていないことを私の発言に…」【検証3】
週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か(3)
TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)が週刊文春に寄せた「韓国軍に慰安婦」記事(2015年4月2日号)のベースとなったのは、韓国軍のベトナム指揮官に宛てられた米当局の捜査報告書である。これを“発見”した山口氏は〈韓国軍大佐の署名入りの書類が見つかり、その書類に韓国軍による韓国兵専用の慰安所であると示されている事〉が“韓国の慰安所”の根拠の1つだとしている。
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だが、公文書に精通する有馬哲夫・早大社会科学部/大学院社会科学研究科教授が文書を読み解くと、“トルコ風呂”や“韓国軍福利センター”を“慰安所”と、“売春婦”を“慰安婦”と言い換えていると指摘。「この公文書から“韓国軍の慰安所がベトナムにあった”という事実を導くことはできません」と結論付けるのだ。
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公文書には問題の施設が韓国軍専用ではないと明記されているが、山口氏はそう認識することがなかった。もともと彼はTBSでこの件の報道を目指していた。しかし、後述するようにそれが叶わず、文春への寄稿となったのだ。山口氏を中心とするTBS取材班は公文書の“裏取り”をすべく、69年以降にベトナムで従軍した人々に対象を絞って取材依頼のメールを送っていた。結果、アンドリュー・フィンレイソン氏に辿りつき、14年11月25日に収録を行なっている。
彼は44年生まれの73歳。66年に米海軍士官学校を卒(お)えた後、26年に亘り海兵隊の主に歩兵部隊で活動した。最終ランクは大佐である。本誌(「週刊新潮」)はTBSによるインタビューなどの取材データを確認した。そこではまず、韓国軍による大規模な売春や闇取引の存在について問われているが、フィンレイソン氏は〈私は直接存じておりませんので、お答えすることはできません〉とキッパリ話している。
この応答だけで、インタビューにふさわしくない相手だというのがよくわかる。いち早く取材を打ち切って他を当るべきだと元大佐は言外に、とはいえありありと訴えているのだ。
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