山口敬之の“韓国軍に慰安婦”捏造疑惑 米公文書を全文公開

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 TBSワシントン支局長時代の山口敬之氏(51)の「韓国軍に慰安婦」記事(「週刊文春」2015年4月2日号)の根拠となったのは、米国国立公文書館が所蔵する公文書――1969年に韓国軍ベトナム指揮官に宛てられた米当局の捜査報告書である。

 掲載の写真は、件の公文書を撮影したもの。以下に続く文書はその和訳である。

 詳しくは配信記事「週刊文春『韓国軍に慰安婦』記事は山口記者の捏造か」(1)~(4)を参照頂きたいが、文中に慰安所(Military Brothels)や慰安婦(Comfort Women/Military Prostitutes)との記述はなく、また軍が売春宿を運営していたことを示す記述も見当たらない。

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蔡命新中将
大韓民国軍ベトナム指揮官
606 トラン・フン・ダオ、サイゴン、ベトナム
蔡中将様

米国の刑事事件捜査官は最近、無許可で離隊した米国軍兵士らが米国通貨及びドル建て各種証券に関する不正取引を行った件に関し、調査を行いました。そこで、サイゴンのファン・タン・グラン・ストリート413、415及び450に位置するターキッシュバス(註:配信では「トルコ風呂」「売春施設」と表記)という施設が、この通貨不正取引に関わった米国人兵士らの会合場所であったことが明らかになりました。

本調査と並行して、ベトナム関税警察が同施設の手入れを実施したところ、大量の駐屯地売店取り扱いの免税品が、米国ドル、軍用手票(註:占領地等で使用される疑似紙幣)、米ドル建て小切手とともに押収されました。この手入れの直前、同施設の前には韓国軍のトラックが停車しており、韓国人兵士が100ケース以上の米国製ビールの荷下ろしをする様子が目撃されています。その後、このビールは、駐屯地売店から支給されたものであることも確認されました。

ターキッシュバスの所有者であるミスター・シンという人物は、ベトナム駐屯韓国軍特別サービス補佐官のスー・ユン・ウォン大佐の署名が入った文書を提出しました。そこには、ターキッシュバスは韓国軍のみに便益を提供する大韓民国軍福利センターである、と示されていました。また、押収された物品の返還を求めて、大韓民国軍防諜部隊長のリー・サン・ユル大佐が署名をした文書も、大韓民国軍防諜部隊将校らによりベトナム税関ビルで提出されました。米国捜査官らは、米軍関係者の施設への関与を明らかにするため、ベトナム関税警察によるターキッシュバスの業務調査に協力しました。

〈黄色枠で囲った英文〉a. The Turkish Bath is not operated for the sole benefit of Korean troops. Rather, it appears to be a public establishment which caters to the general public, excluding Vietnamese nationals but including persons not authorized to possess or purchase United States exchange merchandise imported duty free.

調査の進展とともに明らかになった事実は、以下の通りです。

a.ターキッシュバスは、韓国軍のみの便益のために営業していたわけではない。むしろ同施設は、一般に開かれたものであると思われ、ベトナム国籍を有する者は除くものの、米国駐屯地売店で扱われている免税輸入品を所有または購入する権利を与えられていない者を含んだ、一般大衆にサービスを提供しているようである。

b.同施設は、明らかに米国駐屯地売店から得た駐屯地売店取り扱い品の在庫を有している。これらは韓国駐屯地売店で使うためのものと思われる。

c.商品は、サイゴンにあるその他の一般的な施設とほとんど同じ価格で販売されている。たとえば、駐屯地売店取り扱いタバコ1パッケージは、80ピアスタ(67セント)、米国製ビール1缶は、75ピアスタ(63セント)で販売されている。

d.ベトナム人ホステスがサービスを提供しており、彼女たちは、客に1杯につき200ピアスタで”サイゴンティー“を買うように薦めている。

e.夜は、売春が行われている。料金は、4500ピアスタ(38ドル)である。同施設のスチームバス及びマッサージ部屋がこの業務のために一晩中使用できるようになっている。

f.同施設の所有者は、米国通貨及びドル建て証券を受領し、闇市場の為替レートで交渉に応じている。

調査対象となったその他の複数の施設も、明らかに韓国軍関係者の援助の下で、駐屯地売店の商品及びスロットマシンの供給を受けている。これまでに明らかにされたそれらの施設は、以下の通りである。

a.ターキッシュバス:サイゴン、トラン・フン・ダク347

b.チェオン・ナム・ホテル・レストラン:サイゴン #5 ニュエン・シエウ

c.コリアンレストラン:サイゴン、トルオン・ミン・キー279

d.ハン・クック・クラブ:サイゴン ピュ・ニュアン、ヴォ・タン75

e.ソウルクラブ:ダナン、ファン・ディン・ピュン#5

f.レストランバー:ダナン、ファン・ディン・ピュン22

g.ザ・コリアン・ハウス:ダナン、ギア・ロン#7A

これらの違法な行為に何らかの関わりがあったことが明らかになった主な米軍・及び韓国軍関係者は以下の通りである

a.レス・サン・ユル大佐 大韓民国軍

b.ムン・ハン・シック大佐 大韓民国軍

c.スー・ユン・ウォン大佐 大韓民国軍

d.リー・K.H.中佐 大韓民国軍

e.オー・ミョン・キョン少佐 大韓民国軍

f.チョー・ピョン・ニル准尉 大韓民国軍

g.ラルフ・プレボ大尉 アメリカ合衆国軍

h.ジェームス・ウィルソン上等兵 アメリカ合衆国軍

i.ラリー・レオナルド一等兵 アメリカ合衆国軍

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週刊新潮WEB取材班

2017年10月31日掲載

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