「安倍総理」勝利ではなく野党のオウンゴール いつ切れるか“アッキ―レス腱”

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 政争であれ、スポーツであれ、博打であれ、勝負事には通底するものがある。プロ野球の名監督、野村克也氏曰く、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし――。今回の総選挙という勝負はまさにその通りだったのかもしれない。

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 自公3分の2獲得で、希望の党は公示前議席割れ。

 自公の大勝、いや希望の大惨敗で終わったこの度の「排除の論理選挙」は、希望が負けるべくして負けたのであって、安倍自民が勝つべくして勝ったとは言えまい。実際、

「東北で激戦を繰り広げていたある選挙区からは、『応援に来てほしいのは安倍さんじゃない』との声が寄せられていました」

 と、自民党職員が明かす。

「『本当に派遣してほしいのは小泉進次郎さんです』と。この声が今回の選挙を象徴している。安倍人気で勝ったのではなく、つまり安倍政権が信任されたのではないと思っています」

 確かに、朝日新聞の世論調査では、安倍総理の続投を望むのが〈34%〉に対して望まないが〈51%〉となっており、産経新聞とFNNの調査でも安倍総理の解散について評価するが〈22・7%〉で評価しないが〈69・0%〉と、安倍総理自身が支持されているとは言い難い状況なのである。

 また、全国を応援演説で駆け回った自民党幹部も、

「どこの地方でも、『安倍さん頑張って!』という声は全くと言っていいほど聞かなかった」

 こう「真実」を証言する。

 そして、アッキーこと昭恵夫人に関しても、地元・山口県で彼女が出席した演説会から報道陣がシャットアウトされるなど、未だに「昭恵隠し」をしなければならないほど、彼女の存在が「アッキーレス腱」である状態も続いている。

 当の安倍総理は選挙結果を受けて、

「テレビカメラの前でこそ『謙虚に、誠実に』と表情を引き締める場面が目立ちましたが、その前に党本部の総裁室から側近の萩生田さん(光一・幹事長代行)と一緒に出てこようとした瞬間には、ふたりで満面の笑みを浮かべていた。しかし、『見られてはまずい』と、すぐに意識的に笑顔を消していました」(現場にいた記者)

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