池田勇太、“刃物の町”で後輩と鍔ぜりあい V賞金4000万円

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 優勝賞金4000万円で、副賞はなんと、日本刀!

 今年の日本オープンは、“刃物の町”岐阜県関市にある岐阜関CC東Cで開催された。

 2014年にこの大会を制しながらも、15年、16年と続けて2位に甘んじている池田勇太(31)は最終日、2位に5打差をつけて悠々と首位発進。しかし、蓋を開けると“刀の刃渡り”の如き危なっかしいラウンドとなった。

 まず3番。ドライバーを左に曲げてOB。ダブルボギーで、いきなり“抜き差しならない”状況に陥った。

 池田と“鍔(つば)ぜりあい”を繰り広げたのは、同組のアマ・金谷拓実(19)。池田の母校、東北福祉大の1年生という金谷は、前半を3バーディノーボギーにまとめ、9番を終えて1打差と先輩に“切っ先”を突き付けた。

 池田もプロの意地を見せる。11番パー4。刻んで2オンさせる選手が多い中、ドライバーを強振して“単刀直入”に1オン。バーディとして後輩を突き放す。

 だが、“鎬(しのぎ)を削る”両者の差が3打となった15番。ひたすら攻める池田の“地鉄(じがね)”が出た。今度はドライバーを右に曲げ、この日2度目のOBをかましたのだ。池田はボギーで、一方の金谷はバーディ。1打差に迫られて“切羽詰まった”池田は、続く16番もボギーを叩いてしまう。

 ところが、その直後、金谷がいらぬ“相槌(あいづち)”を打ってしまった。1メートルのパーパットを外したのである。

「優勝を意識してしまった」

 とは試合後の金谷の弁。

“真剣勝負”の決着は最終18番。池田は“伝家の宝刀”ドライバーでフェアウェーを“一刀両断”。対する金谷は、スプーンで刻む戦略に出たが、それは“諸刃の剣”だった。2オンに失敗してしまい、金谷はついに“刀折れ矢尽きた”。

 優勝会見で池田は、

「(刻むという)考えがアマチュアだよね」

 と金谷に“焼き入れ”。

 ラウンド中もラウンド後も、後輩は先輩に“太刀打ち”できなかったのだった。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

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